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品格について

国家の品格を言うが、個人の品格を言わない。
それでは、全く意味を成さない。国家は、個人によって成り立つのである。
今回、悲しいことだが、個人の品格について教えられる事故があった。
東京板橋区の東武東上線ときわ台駅で、線路に入った女性を保護しようとして、電車にはねられ、重体となり、惜しくも12日に死亡された、常盤台交番の宮本邦彦巡査部長である。53歳の若さであった。
私は、死亡されたというより、お隠れになったと言いたい。
肉体を失っただけで、その意思は生き続けるからだ。日本の伝統的、言い方である。
さて、個人の品格とは、何か。

宮本さんのような、職務に真っ当な方のことである。
それ以外に無い。
職務とは、生き方である。
あらゆる職業の人が、職務に真っ当になること、これである。
品格を持つ、得るためには、それしか方法が無い。

それでは、真っ当とは、何か。
昔の言葉で言えば、お天道様に顔向けが出来る生き方である。
お天道様を避けるような生き方ではない。
お天道様とは、太陽である。大和民族、日本人は、太陽を拝して、天照大神とお呼びしてきた。神の化身である太陽に背かない生き方である。
世間といわれる世の中ではない。太陽に向かって堂々と生きられる生き方である。

さて言う。世の中というものを見て生きると、そこには、様々な目論みがあり、様々な誘惑がある。一々礼を上げずともよいが、耐震偽装から、不二家の不祥事から、保険会社の未払いから、公務員、政治家の公金横領から、まだまだある。これ皆、個人の品格の無いことを言う。
皆々、お天道様を見ず、世間のみを見ているからである。世間の目を誤魔化すのてある。
テレビの捏造番組も、職務に真っ当でない者がする。
皆々、個人のことである。これらが集って、国家の品格など生まれるはずもない。
一人一人に、品格を求める生き方があればこその、国家に至る。

国家とは、共同幻想である。しかし、その共同幻想を支える個人の品格が、幻想ではないから、共同幻想としての国家の存在が確固としたものに成る。

宮本さんには、奥様と息子さんがおられた。家長を失った思いを思うと、心痛の極みである。人の思いを思う。残された者は、その悲しみを生きる、生きなければならない。辛く苦しい明日である。明日が辛いと思うことほど、この世に辛いものはない。
今、辛くても、明日は、明るいと信じられるから生きられる。しかし、明日が辛いと思えば、生きるという意味意識を、どのように養うか。これ、個人の品格の問題である。
私は、藤岡を亡くして、一週間で10キロ痩せた。信じられないのである。痩せたくて、色々試しても痩せなかったものがと、絶句した。

宮本さんの、ご家族の心境を察して、私は、絶句する。
言葉を発することができない。
ただただ、お祈り申し上げる次第である。

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2007年02月15日 05:05に投稿されたエントリーのページです。

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